【健康コラム 96 】「はちみつなら砂糖より健康」は本当?甘味料を比べてみた!

「砂糖は控えたほうがいいから、代わりにはちみつを使っています」

健康を意識して、こんな工夫をしている方も多いのではないでしょうか。

確かに、はちみつには砂糖にはほとんど含まれない成分もあります。しかし、「はちみつならたくさん食べても大丈夫」というわけではありません。

今回は、身近な「甘味料」の違いについて見ていきましょう。

🍬 そもそも砂糖とはちみつ、何が違う?

一般的な上白糖の主成分は「ショ糖」です。一方、はちみつには主に「ブドウ糖」と「果糖」が含まれ、水分も約18%含まれています。

文部科学省の日本食品標準成分表によると、100gあたりのエネルギーは、

上白糖:約391kcal
はちみつ:約328kcal

となっています。

はちみつのほうが低カロリーなのは事実ですが、その大きな理由の一つは水分が多いことです。

つまり、「はちみつだからカロリーを気にしなくていい」というほど大きな違いではありません。

🌿 はちみつには「砂糖にはない成分」も

はちみつには、糖だけでなく、ミネラルや有機酸、ポリフェノールなど、さまざまな微量成分が含まれています。

そのため、単純に「砂糖とはまったく同じ食品」ともいえません。

実際、はちみつの摂取と血糖値や血中脂質などを調べた研究もあり、一部では良い変化が報告されています。

ただし、研究によって結果にはばらつきがあり、2021年の臨床試験のシステマティックレビューでも、研究数や研究の質などに限界があることが指摘されています。

つまり、

「はちみつには特徴的な成分がある」=「砂糖の代わりにたくさん摂れば健康になる」

とは考えないほうがよいでしょう。

📈「はちみつなら血糖値が上がらない」も誤解

ここも注意したいポイントです。

はちみつには果糖が多く含まれるため、種類や条件によって砂糖とは血糖値の上がり方が異なる場合があります。

しかし、はちみつのGI値は一定ではありません。花の種類などによって違いがあり、健康な人を対象にした研究では、中程度から高いGIを示したはちみつも報告されています。

つまり、

はちみつも血糖値に影響する「糖を多く含む食品」

であることに変わりはありません。

特に糖尿病などで血糖管理をしている方が、「砂糖ではなくはちみつだから大丈夫」と自己判断するのは避けたいところです。

🥄 WHOでは、はちみつも「糖」として考える

実は、ここが今回の大切なポイントです。

WHO(世界保健機関)は、摂り過ぎに注意したい「遊離糖類」の中に、砂糖だけでなくはちみつやシロップなどに含まれる糖も含めています。

WHOは遊離糖類を、1日の総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨しています。

つまり健康を考えるうえでは、

「砂糖か、はちみつか?」

だけではなく、

「甘味料を全部合わせて、どのくらい摂っているか?」

を見ることが大切なのです。

🔍 では、はちみつを選ぶ意味はない?

そんなことはありません。

はちみつには独特の香りやコクがあり、砂糖とは違った楽しみ方ができます。また、甘みをしっかり感じられるため、料理や飲み物によっては少量でも満足できることがあります。

大切なのは、

「健康食品として追加する」のではなく、
「普段使っている甘味料の選択肢として使う」こと。

たとえば、砂糖入りの紅茶にはちみつまで加えるのではなく、砂糖の代わりにはちみつを少量使う、と考えると分かりやすいでしょう。

⚠️ はちみつには大切な注意点も

1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えてはいけません。

はちみつにはボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあり、乳児ボツリヌス症を起こす可能性があります。

厚生労働省も、はちみつだけでなくはちみつ入りの飲料やお菓子なども1歳未満には与えないよう注意喚起しています。

通常の加熱調理では十分な対策にならない点にも注意しましょう。

🍯 結局、「砂糖」と「はちみつ」どちらが健康?

はちみつには砂糖にはほとんどない微量成分が含まれ、100gあたりのエネルギーも上白糖より低めです。

一方で、どちらも「甘味を加える糖質源」であることには変わりません。

だからこそ、

「砂糖は悪者、はちみつは健康食品」と二択で考えないこと。

「何を使うか」以上に、「甘いものを普段どのくらい摂っているか」を意識することが、健康的な甘味料との付き合い方です。

はちみつは「健康のためにたくさん摂るもの」ではなく、風味を楽しみながら上手に使う甘味料の一つと考えてみてはいかがでしょうか。

📚 参考資料

・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
・World Health Organization(WHO)「Healthy diet」「Guideline: sugars intake for adults and children」
・厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」
・Akhbari M, et al. The Effects of Oral Consumption of Honey on Key Metabolic Profiles...(2021)
・Ahmed A, et al. Effect of honey on cardiometabolic risk factors: a systematic review and meta-analysis(2022)

※本記事は一般的な健康情報を目的としたものです。糖尿病などで食事療法を行っている方は、医師や管理栄養士などの指示に従ってください。