【健康コラム 81 】その物忘れ、認知症ではないかも?夏に増える「脳疲労」と今日からできる対策

「最近、物忘れが増えた気がする…」
「何度も同じことを聞いてしまう。」
「暑くなると、なんだかイライラしやすい。」

夏になると、このような変化を感じることはありませんか?

「認知症が進んだのでは…」と心配になる方もいらっしゃいますが、実はその原因は夏特有の『脳疲労』かもしれません。

人の脳は、体重の約2%ほどしかありません。しかし、体全体で使うエネルギーの約20%を消費するといわれるほど、一日中働き続けている大切な臓器です。

暑さや睡眠不足、脱水などの影響を受けやすいため、夏は体だけでなく脳も疲れやすい季節なのです。


🧠 夏は「脳」が疲れやすい季節です

真夏は、体温を一定に保つために体が休むことなく働いています。

さらに、

  • ☀️ 強い紫外線
  • 🌡️ 高温多湿の環境
  • ❄️ エアコンによる寒暖差
  • 🌙 寝苦しい夜による睡眠不足

これらが重なることで、自律神経はフル稼働の状態になります。

自律神経のバランスが乱れると、脳への血流や集中力にも影響し、

  • 名前が思い出せない
  • 約束を忘れやすい
  • 会話が続きにくい
  • 判断が遅くなる
  • 些細なことでイライラする

といった、一時的な認知機能の低下がみられることがあります。

もちろん、このような症状が長期間続いたり、日常生活に支障が出たりする場合は医療機関への相談が必要です。

しかし、夏だけにみられる軽い変化であれば、「脳が少し疲れているサイン」かもしれません。


💧 高齢者は「のど」だけでなく「脳」も乾いている?

高齢になると、のどの渇きを感じにくくなるため、自分では十分に水分を摂っているつもりでも、気づかないうちに軽い脱水状態になっていることがあります。

実は、脳の約75%は水分でできています。

そのため、水分が不足すると脳の働きも鈍くなり、

  • ぼんやりする
  • 集中できない
  • 考えがまとまらない

といった症状が現れることがあります。

「年齢のせいかな?」と思っていた不調が、実は軽い脱水だったというケースも少なくありません。

こまめな水分補給は、熱中症だけでなく脳を守ることにもつながります。


😴 脳にも「休憩時間」をつくりましょう

体が疲れたら休憩するように、脳にも休息が必要です。

おすすめなのが、15~20分程度の短い昼寝(パワーナップ)です。

昼食後、静かな部屋で目を閉じるだけでも、脳の疲労回復や集中力の改善が期待できます。

ただし、30分以上眠ってしまうと、目覚めた後にぼんやりしたり、夜の睡眠に影響したりすることがあります。

「少し休む」くらいが、脳にはちょうど良い休憩時間です。


🍚 「脳の栄養」は甘いお菓子だけではありません

脳のエネルギー源はブドウ糖です。

だからといって、「疲れたから甘いものをたくさん食べよう」と考えるのはおすすめできません。

ジュースやお菓子で血糖値が急激に上がると、その後に急激に下がり、かえって眠気やだるさを感じやすくなることがあります。

脳のエネルギーを安定して補給するためには、

  • 🍙 ご飯やパンなどの主食を適量食べる
  • 🍌 果物を上手に取り入れる
  • 🥚 肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質を毎食意識する

など、バランスの良い食事を心がけることが大切です。


🚶 体を動かすことは、脳への最高のプレゼント

暑い日は、つい家の中で過ごす時間が長くなります。

しかし、体を動かさない生活が続くと、脳への刺激も少なくなってしまいます。

適度な運動は脳への血流を促し、認知機能の維持にも役立つことが分かっています。

暑い日は無理をせず、

  • 🚶 朝や夕方の涼しい時間に散歩する
  • 🤸 エアコンの効いた部屋で体操をする
  • 🪑 椅子に座ったままできるストレッチを行う

など、自分に合った方法で体を動かしてみましょう。

少し体を動かすだけでも、気分がすっきりし、頭も冴えてくることがあります。


📝 夏の脳疲労セルフチェック

次の項目に当てはまるものはありませんか?

□ 最近、人や物の名前がすぐに思い出せないことが増えた
□ 暑い日は特に集中力が続かず、ぼんやりすることが多い
□ 夜ぐっすり眠れず、朝から疲れが残っている
□ のどが渇く前に水分を飲む習慣がない
□ 暑さを理由に外出や運動を控える日が増えた

✔ 2~3項目当てはまる方は、「夏の脳疲労」が溜まっているサインかもしれません。

まずは水分補給や睡眠、適度な運動など生活習慣を見直してみましょう。

✔ 4項目以上当てはまる場合は要注意。

生活習慣の改善に加え、ご家族から見ても物忘れや様子の変化が気になる場合は、かかりつけ医へ相談することも大切です。


📌 今日からできる!脳を元気にする3つの習慣

💧 ① のどが渇く前に水分補給

一度にたくさん飲むのではなく、コップ1杯程度の水分をこまめに補給しましょう。外出時だけでなく、室内で過ごす日も意識して飲むことが大切です。

😴 ② 15~20分の「脳の休憩」

昼食後に短時間目を閉じるだけでも、脳の疲労回復や集中力アップが期待できます。長く寝すぎないことがポイントです。

🚶 ③ 10分でも体を動かす

暑い日は室内での体操やストレッチでも十分です。体を動かすことで脳への血流が促され、気分転換や認知機能の維持にもつながります。

⚠️ 「夏だから」と見逃さないことも大切です

夏の物忘れや集中力の低下は、一時的な脳疲労であることも少なくありません。

しかし、

  • 今までできていたことが急にできなくなった
  • 同じ症状が何週間も続いている
  • ご家族から見ても明らかな変化がある

このような場合は、認知症や脳の病気が隠れている可能性もあります。

「夏バテだから大丈夫」と自己判断せず、気になる症状が続くときは、かかりつけ医へ相談しましょう。


🌿 まとめ

夏は、私たちが思っている以上に脳も疲れています。

「最近、少し物忘れが増えたかな」と感じたら、まずは

✔️ こまめな水分補給
✔️ 質の良い睡眠
✔️ バランスの良い食事
✔️ 無理のない運動

この4つを意識してみてください。

脳も筋肉と同じように、しっかり休ませ、適度に使うことで元気を取り戻します。

今年の夏は、「脳をいたわる習慣」を毎日の生活に取り入れ、暑さに負けない心と体を育てていきましょう。