【健康コラム 87 】その「ノンカフェイン」と「カフェインレス」、実は同じじゃありません~夜に飲むならどっち?意外と知らないカフェイン表示の違い~
「夜だから、カフェインレスコーヒーにしておこう」
健康や睡眠を意識して、そんな選び方をしている方も多いのではないでしょうか。
スーパーやカフェを見てみると、「カフェインレス」「デカフェ」「ノンカフェイン」「カフェインゼロ」など、よく似た言葉が並んでいます。
なんとなく「全部カフェインが入っていない飲み物」と思ってしまいそうですが、実は同じではありません。
特に覚えておきたいのが、
「カフェインレス=カフェイン0ではない」
ということ。
今回は、知っているようで意外と知らない「カフェイン表示」の違いと、上手な飲み物の選び方をご紹介します。
☕ 「カフェインレス」は、カフェインが“少ない”
まずは「カフェインレス」。
コーヒーの場合、日本の公正競争規約では、カフェインを90%以上除去したコーヒーを「カフェインレスコーヒー」などと表示できます。つまり、もともとカフェインを含むコーヒーから、その大部分を取り除いたものです。
ここで大切なのが、
90%以上「除去」=必ずしも0%ではない
という点です。
食品安全委員会が紹介している代表値では、通常のコーヒーは200mLあたり約120mgなのに対し、デカフェコーヒーは約12mgとなっています。
「かなり少ないけれど、少量は含まれていることがある」と覚えておくとよいでしょう。
🌿 「ノンカフェイン」は、そもそもカフェインを含まない飲み物に使われることが多い
一方、「ノンカフェイン」や「カフェインフリー」と呼ばれる飲み物は、一般的に原料そのものにカフェインを含まないものを指す際に使われています。
代表的なのが、
- 麦茶
- そば茶
- ルイボスティー
- 一部のハーブティー
などです。
食品安全委員会が示す代表値でも、麦茶やそば茶のカフェイン量は0mg/100mLとなっています。
つまり、イメージとしては、
カフェインレス・デカフェ
=「入っていたカフェインを減らしたもの」
ノンカフェイン
=「もともとカフェインを含まない原料から作られたもの」
と考えると分かりやすいでしょう。
※商品によって原材料や製法は異なります。「ノンカフェイン」などの表示だけで判断せず、カフェイン含有量や原材料表示も確認しましょう。
🔍 「デカフェ」はカフェインレスと何が違う?
カフェでよく見かける「デカフェ(decaf)」。
これも基本的には、カフェインを含むコーヒー豆や茶葉などから、カフェインの大部分を取り除いたものです。
そのため、
デカフェ ≒ カフェインレス
と考えてよいでしょう。
「デカフェなら完全にゼロ」と思われることがありますが、そうとは限りません。
米国FDAも、デカフェのコーヒーや紅茶には通常品よりカフェインが少ないものの、カフェインが残っていると説明しています。
😴 夜なら「カフェインレス」で大丈夫?
ここが今回、特に知っておいてほしいポイントです。
「夜はカフェインレスだから何杯飲んでも大丈夫」とは限りません。
カフェインへの反応にはかなり個人差があります。少量でも寝つきに影響する人もいれば、比較的影響を感じにくい人もいます。
厚生労働省によると、カフェインを過剰に摂取すると、不眠、心拍数の増加、興奮、不安、震え、吐き気などにつながることがあります。また、日本では個人差が大きいことなどから、一律の「一日摂取許容量」は設定されていません。
そのため、
「カフェインレスだから大丈夫」ではなく、「自分はカフェインにどのくらい敏感か」も大切な判断材料です。
「夕方以降にコーヒーを飲むと寝つきが悪い気がする」という方なら、夜はカフェインレスよりも、麦茶やルイボスティーなどのノンカフェイン飲料を選んでみるのも一つの方法です。
🤰 カフェインを特に意識したい人は?
カフェインの摂取量を意識したいのは、睡眠が気になる人だけではありません。
厚生労働省は、子ども、妊婦、授乳中の方、カフェインに敏感な方などについて、カフェインを多く含む飲料の摂取に注意するよう呼びかけています。
特に妊娠中については、食品安全委員会が海外機関の目安として、EFSA(欧州食品安全機関)の1日200mgなどを紹介しています。
ただし、これは「200mgまで必ず飲んでよい」という意味ではありません。
コーヒーだけでなく、紅茶、緑茶、ウーロン茶、コーラ、チョコレート、エナジードリンクなど、複数の食品から摂っているカフェインを合計して考えることがポイントです。
🛒 パッケージでは「言葉」よりここを見よう
飲み物を選ぶときは、「カフェインレス」「ノンカフェイン」という大きな文字だけで判断せず、パッケージの細かな表示にも注目してみましょう。
① カフェイン含有量
「100mLあたり○mg」「1本あたり○mg」などの表示があればチェック。
② 原材料
コーヒー、緑茶、紅茶など、もともとカフェインを含む原料が使われているか確認します。
③ 飲む時間と目的
「少しカフェインを減らしたい」のか、「できるだけカフェインを避けたい」のかによって選択肢は変わります。
たとえば、
日中のコーヒーを減らしたい → カフェインレス・デカフェ
夜のリラックスタイム → ノンカフェイン
というように使い分けると、選びやすくなります。
🌙 大切なのは「ゼロかどうか」だけではありません
カフェインは決して「悪い成分」というわけではありません。
適量であれば眠気を覚ましたり、集中したいときに役立ったりする身近な成分です。一方で、摂り過ぎたり、自分に合わない時間帯に摂ったりすると、睡眠や体調に影響することがあります。
だからこそ、
「カフェインを避ける」ではなく、「いつ・どのくらい摂るかを選ぶ」
という考え方がおすすめです。
いつもの飲み物を手に取ったとき、パッケージの「カフェインレス」「ノンカフェイン」という言葉を少しだけ気にしてみてください。
その小さな違いを知っているだけでも、自分の体調や生活リズムに合った飲み物を選びやすくなります。
📚 参考資料
- 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
- 食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへ―カフェイン」
- 全国公正取引協議会連合会「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」
- U.S. Food and Drug Administration(FDA)「Spilling the Beans: How Much Caffeine is Too Much?」
※本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたもので、個別の医学的な診断・治療を目的とするものではありません。妊娠中・授乳中の方、持病のある方、服薬中の方などは、必要に応じて医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。

