【健康コラム 86 】「野菜ジュースを飲んでいるから大丈夫」は本当?生野菜との違いを調べてみた!

「野菜ジュースを飲んでいるから大丈夫」は本当?生野菜との違いを調べてみた

「野菜不足が気になるから、毎朝野菜ジュースを飲んでいる」
「野菜ジュースを1本飲めば、サラダを食べなくても大丈夫」

そんなふうに考えている方も多いのではないでしょうか。

忙しい朝や、外食が続いたときにも手軽に飲める野菜ジュースは、私たちの食生活の心強い味方です。ただし、「野菜ジュース=野菜そのもの」ではありません。

では、生野菜・野菜ジュース・スムージーには、どんな違いがあるのでしょうか?

今回は、意外と知らない「野菜の摂り方」について比べてみましょう。


🥬 そもそも、野菜はどれくらい食べればいい?

厚生労働省の「健康日本21(第三次)」では、成人の野菜摂取量の目標として1日350gが掲げられています。

ところが、2023年の国民健康・栄養調査では、日本人の野菜摂取量は平均256g。つまり平均すると、目標まで約100g不足しています。

100gというと、ものすごく多く感じるかもしれませんが、厚生労働省では野菜料理1皿をおよそ70gとしており、今より1~2皿増やすイメージです。

野菜には、ビタミンやミネラルだけでなく、カリウムや食物繊維なども含まれています。

そこで気になるのが、

「だったら、野菜ジュースで補っても同じなの?」

という疑問です。


🧃 野菜ジュースは「野菜の代わり」になる?

結論からいうと、

野菜ジュースは野菜不足を補う“サポート役”にはなりますが、野菜を完全に置き換えるものとは考えない方がよいでしょう。

ポイントの一つが、食物繊維です。

市販の野菜ジュースの多くは、野菜を搾ったあと、口当たりをよくするために繊維質の一部が取り除かれています。

そのため、原料として多くの野菜が使われていても、元の野菜をそのまま食べた場合と、食物繊維の量や構成が同じとは限りません。

食物繊維は、お腹の調子を整えるだけの成分ではありません。血糖値やコレステロールの上昇を抑える働きなどが知られ、循環器疾患や2型糖尿病などのリスク低下との関連も報告されています。

現在、日本人成人の食物繊維摂取量は平均1日18.1gで、十分に摂れていないことが課題となっています。

だからこそ、野菜ジュースだけに頼らず、「噛んで食べる野菜」も残しておきたいのです。


🥕 「噛んで食べる」ことも野菜のメリット

野菜そのものを食べるメリットは、栄養素だけではありません。

サラダ、煮物、炒め物、具だくさんの汁物などは、ジュースとは違って噛む必要があります。

また、野菜は比較的エネルギーが低く、「かさ」があるため、食事のボリュームを増やしやすい食品です。厚生労働省も、野菜のこうした特徴は満腹感につながりやすいと説明しています。

「飲めば数十秒」なのが野菜ジュース。

一方で野菜そのものは、噛みながら時間をかけて食べます。

つまり、「野菜に含まれる栄養を摂ること」と「野菜を食べること」は、完全には同じではないということです。


🥤 では「スムージー」なら野菜と同じ?

ここで登場するのがスムージーです。

一般的な手作りスムージーは、野菜や果物を搾って液体だけを取り出すのではなく、ミキサーで丸ごと細かくして飲むため、搾汁タイプのジュースに比べて食物繊維を残しやすいのが特徴です。

ただし、

「スムージーなら、いくら飲んでも健康的」

というわけではありません。

例えば、

  • バナナ
  • りんご
  • オレンジ
  • はちみつ
  • 加糖ヨーグルト

などをたっぷり使えば、野菜中心のつもりが、糖質やエネルギーの多い一杯になることもあります。

特に「飲みやすくするために果物をたくさん入れる」という作り方には注意したいところです。


🔍 野菜・野菜ジュース・スムージーを比べてみると?

🥬 野菜そのもの🧃 野菜ジュース🥤 スムージー
手軽さ
食物繊維△~○○~◎
噛むこと××
野菜を摂る目的補助向き補助向き
注意点調理の手間商品によって成分が違う果物・糖分の入れすぎ

※原材料や製造方法によって栄養成分は大きく異なります。野菜ジュースやスムージーを選ぶ際は、栄養成分表示や原材料表示を確認しましょう。

こうして見ると、どれか一つが「絶対に良い・悪い」という話ではありません。

大切なのは役割の違いです。


🧃 野菜ジュースは「ダメ」ではありません

ここは誤解してほしくないポイントです。

野菜ジュースには、手軽に野菜由来の栄養成分を摂れるという大きなメリットがあります。

「朝はどうしても時間がない」
「外食で野菜料理を注文できなかった」
「食欲がなくて、たくさん食べられない」

そんなときに、何も摂らないより野菜ジュースを上手に取り入れる、という考え方は十分選択肢になります。

ただし、

「野菜ジュースを飲んだから、今日は野菜を食べなくてもいい」

と考えてしまうと、本来の野菜から摂れる食物繊維や、「噛んで食べる」機会まで減らしてしまう可能性があります。

おすすめなのは、

「置き換える」のではなく「足りないところを補う」

という使い方です。


🛒 野菜ジュースを選ぶなら、ここをチェック

スーパーやコンビニにはたくさんの商品がありますが、パッケージのイメージだけでなく、裏側の表示も見てみましょう。

特にチェックしたいのは、

① 食物繊維
どのくらい含まれているかを栄養成分表示で確認。

② 糖類・炭水化物
果物が多く使われた商品などでは、飲みやすい一方で糖質が多くなる場合があります。

③ 食塩相当量
商品によって違うため、日常的に飲むなら確認する習慣を。

④ 原材料
「野菜ジュース」と思っていても、果汁が多く入っている商品もあります。

「野菜○○g分使用」といった表示だけで判断せず、実際の栄養成分表示を見ることがポイントです。


🍅 「ジュースを足す」より「野菜を1品足す」発想も

「毎日350g食べなければ!」

と考えると、少しハードルが高く感じます。

そんなときは、完璧を目指す必要はありません。

例えば、

朝食にミニトマトを追加する。
昼食に小鉢のサラダを付ける。
夕食のみそ汁を具だくさんにする。
冷凍ブロッコリーを常備しておく。

厚生労働省では野菜料理1皿を約70gとしていますから、まずは「いつもの食事に野菜をもう1皿」くらいから始めるのも現実的です。

生野菜だけにこだわる必要もありません。

加熱すると野菜のかさが減って食べやすくなるため、サラダだけでなく、煮物、蒸し野菜、炒め物、スープなどを組み合わせるのがおすすめです。


🌱 今日から覚えておきたいこと

野菜ジュースは、決して「意味がない飲み物」ではありません。

ただ、

野菜ジュースを飲むことと、野菜を食べることは同じではない。

ここを覚えておくことが大切です。

🥬 野菜そのもの → 食物繊維も含めて摂りやすく、食事の基本に
🧃 野菜ジュース → 忙しい日や不足した日のサポートに
🥤 スムージー → 食材を丸ごと使いやすいが、果物や糖分の量には注意

「どれが一番健康にいい?」と考えるより、

普段は野菜を食べて、難しい日はジュースやスムージーの力も借りる。

そんな使い分けの方が、無理なく続けられるのではないでしょうか。

野菜ジュースを飲んだ日は「これで大丈夫!」ではなく、

「今日は野菜ジュース+あと1皿」

くらいの気持ちで、毎日の食事を整えてみてください。


📚 参考資料

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「野菜1日350gで健康増進」
  • 厚生労働省「健康日本21(第三次)推進のための説明資料」
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」

※本記事は一般的な健康情報を紹介するもので、個人の疾病の診断・治療を目的としたものではありません。持病がある方や食事について医師・管理栄養士から指導を受けている方は、その指示を優先してください。