【健康コラム 33 】放置してはいけない“隠れ不整脈”とは?~自覚がなくても要注意!スマートウォッチで見つける心臓のSOS~
🔎 「隠れ不整脈」とは?
不整脈とは、心臓が規則正しく動かなくなる状態のこと。
心臓は1日に約10万回も拍動しており、そのリズムが乱れると、全身にうまく血液を送れなくなります。
問題なのは、「隠れ不整脈」と呼ばれるタイプです。
これは、目立った自覚症状がないために発見が遅れやすい不整脈で、健康診断や偶然の検査で見つかるケースもあります。
軽い不整脈は心配ないこともありますが、中には脳梗塞や心不全などの重大な病気につながる危険なタイプもあります。
⚠️ 見逃しやすいサイン
隠れ不整脈の怖さは、「気づきにくいこと」。
こんな小さな変化がヒントになることがあります。
- 少し動いただけで息切れする
- 立ちくらみ・ふらつきが増えた
- 胸の奥で一瞬“ドクン”と跳ねる感じ
- 以前より疲れやすい、頭がぼーっとする
こうした症状があるのに、特にストレスもなく、検査でも異常が見つからない場合――。
それは“心臓のリズムの乱れ”が隠れているサインかもしれません。
🩺 なぜ放置が危険なのか?
心臓が不規則に動くと、心臓の一部に血液がよどみ、**血のかたまり(血栓)**ができることがあります。
これが脳へ飛ぶと「脳梗塞」、肺に飛ぶと「肺塞栓」となり、突然倒れることも。
特に高齢者や、高血圧・糖尿病・脂質異常症を持つ人は、「心房細動」という不整脈を発症しやすくなります。
心房細動は“脈がバラバラに打つ”タイプの不整脈で、自覚症状がないまま進行し、脳梗塞のリスクが5倍以上になるといわれています。
💡 スマートウォッチで早期発見!
近年、Apple WatchやFitbit、Galaxy Watchなど、心拍数や心電図を測定できるスマートウォッチが普及しています。
これらを上手に活用すると、隠れ不整脈の早期発見に役立ちます。
◎ スマートウォッチでできること
- 心拍数の変化(早い・遅い)を24時間モニタリング
- 異常なリズムを検知すると通知
- 一部機種では「心電図アプリ」で波形を記録
このデータを医師に見せることで、診察時に一時的に現れる不整脈の証拠として役立ちます。
実際、スマートウォッチが異常を感知し、早期に治療へつながった事例も報告されています。
◎ 注意点
ただし、スマートウォッチは医療機器ではないため、異常が通知されなくても安心しきらないことが大切です。
違和感を感じたら、医療機関で正式な心電図検査を受けましょう。
🏃♂️ 日常でできる予防とケア
不整脈を防ぐには、「心臓にやさしい生活習慣」を整えることが基本です。
✅ 規則正しい生活
- 睡眠不足や過労を避ける
- ストレスをため込まない(深呼吸・軽運動がおすすめ)
- カフェイン・アルコールをとりすぎない
✅ 栄養バランスを整える
心臓の働きをサポートする栄養素として、
- カリウム(バナナ・ほうれん草など)
- マグネシウム(ナッツ類・豆腐など)
- オメガ3脂肪酸(青魚・アマニ油など)
を意識してとりましょう。
✅ 軽い運動で血流改善
ウォーキングやストレッチ、ヨガなど軽めの有酸素運動を1日20〜30分。
血流を整え、自律神経を安定させることで不整脈の予防にもつながります。
🩸 自分でできる“脈チェック”
自宅でもできる簡単な方法です。
- 手首の親指側に人差し指と中指を当てる
- 1分間に打つ回数を数える
- 「リズムが不規則」「途中で飛ぶ」ようなら要注意
スマートウォッチを持っていなくても、自分の脈を意識的に観察する習慣が大切です。
🌿 まとめ
隠れ不整脈は、放置すれば命に関わることもあります。
「疲れやすい」「脈がとぶ」などの小さな違和感を見逃さず、スマートウォッチや血圧計を上手に使って体のサインを読み取りましょう。
早期発見と生活習慣の見直しで、“心臓にやさしい未来”を守ることができます。

