【健康コラム 31 】糖尿病・高血圧・関節痛…~同時に付き合う健康習慣~
年齢を重ねると、「血糖値が少し高い」「血圧の薬を飲み始めた」「膝が痛くて歩きづらい」など、複数の不調を抱える方が増えてきます。
それぞれ違う病気のように見えますが、共通して“生活習慣”が深く関係しています。
つまり、毎日の過ごし方を見直すことで、まとめて改善を目指すことができるのです。
ここでは、無理なく続けられる健康習慣を分かりやすくご紹介します。
🍎 食生活で体を整える ― “減らす”より“選ぶ”意識を
▶ 糖尿病にやさしい食べ方
血糖値を安定させるポイントは、「食べる順番」と「食べるスピード」。
食事の最初に野菜や海藻、きのこ類を食べることで、糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。
また、よく噛んでゆっくり食べることで満腹感が得られ、食べすぎ防止にもなります。
おすすめは「まごわやさしい」食材:
ま(豆類)・ご(ごま)・わ(わかめ)・や(野菜)・さ(魚)・し(しいたけ)・い(いも)
これを意識すると、自然と栄養バランスが整います。
▶ 高血圧を防ぐ味付けの工夫
塩分を減らすと「味気ない」と感じる方もいますが、だし・香味野菜・スパイスを活用することで満足度を上げられます。
・レモン汁やお酢で味に変化を
・だしをしっかり取って塩分を減らす
・カレー粉やこしょう、しょうがで風味づけ
こうした工夫で、自然に塩分を控えることができます。
▶ 関節に優しい栄養
関節の軟骨や筋肉を守るためには、たんぱく質と良質な脂質が欠かせません。
鶏むね肉・魚・豆腐・卵などを毎食に取り入れましょう。
また、**オメガ3脂肪酸(青魚や亜麻仁油)**は関節の炎症を和らげる働きがあるといわれています。
🚶 適度な運動で体を支える ― 動かすことで整う3つの効果
運動は、糖尿病・高血圧・関節痛すべてに良い影響を与えます。
ただし、「頑張りすぎ」は逆効果。体に合った“ほどよい運動”が大切です。
① 血糖値を下げる
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、体の中の糖をエネルギーとして使うことで血糖値を下げます。
食後1〜2時間のタイミングで15〜30分歩くのが理想的です。
② 血圧を安定させる
運動を続けると、血管がやわらかくなり、血流がスムーズに。
結果として血圧が下がりやすくなります。
無理せず、毎日少しずつでも続けることがポイントです。
③ 関節の痛みを軽くする
痛いからと動かさないでいると、関節周りの筋肉が弱ってさらに負担が増えてしまいます。
椅子に座って膝を伸ばしたり、太ももを上げ下げしたりする簡単な筋トレを取り入れましょう。
水中ウォーキングもおすすめです。関節への負担が少なく、全身運動にもなります。
💤 睡眠と休息で体を回復させる ― 体の“リセット時間”を大切に
眠っている間に、体は血圧や血糖を調整し、筋肉や関節を修復しています。
十分な睡眠がとれていないと、これらの働きがうまくいかず、疲れが取れないまま翌日に持ち越されてしまいます。
睡眠の質を上げる工夫
- 寝る1時間前はスマホ・テレビを控える(脳を休ませるため)
- ぬるめのお風呂に入って体温を一度上げる(その後下がると眠気が来やすい)
- 朝の光を浴びる(体内時計が整い、夜に自然と眠くなる)
また、昼寝を15〜20分程度取ると午後の集中力が上がり、ストレスや血圧上昇を防ぐ効果もあります。
💧 水分と生活リズムを整える ― 毎日の“小さな意識”が大きな差に
寒い時期は喉の渇きを感じにくく、水分不足になりがちです。
体の水分が減ると血液がドロドロになり、血圧や血糖値が上がりやすくなります。
- 朝起きたらコップ一杯の水を飲む
- 食事のたびにお茶を飲む
- 外出時にも水筒を持ち歩く
これらを習慣にすることで、体の調子が整いやすくなります。
また、毎日同じ時間に起きる・食べる・寝るというリズムを守ることも、血糖値や血圧を安定させる大切な要素です。
🌿 まとめ ― “できることから”が長続きのコツ
糖尿病・高血圧・関節痛という3つの不調は、どれも「生活習慣病」といわれるように、日々の積み重ねが大きく影響します。
完璧を目指すよりも、「少しずつ、無理なく」続けることが一番の近道です。
- 野菜から食べる
- 毎日10分でも歩く
- 早めに寝る
- こまめに水を飲む
これらの積み重ねが、あなたの体を確実に守ります。
3つの不調と上手に付き合いながら、**“自分のペースで健康を育てる”**習慣を身につけましょう。

