【健康コラム 16 】「体のめぐり」を整えて、ポカポカを取り戻そう!

寒い季節になると、手足の先が冷たくなってつらい――。
実はこの「冷え」、単に気温のせいだけではありません。体の中の「めぐり」や「筋肉の働き」に深く関係しています。今回は、そんな冷えの原因と改善のヒントをお伝えします。


❄ 手足が冷える主な原因

① 血流が滞っている

私たちの体は、心臓から送り出された血液が全身をめぐり、体温を保っています。
しかし、筋肉の動きが少ないとポンプの働きが弱まり、血液が末端まで届きにくくなります。特に足は心臓から遠いため、冷えを感じやすい場所になります。

② 自律神経の乱れ

ストレスや睡眠不足、急な温度変化などで自律神経のバランスが崩れると、血管が必要以上に縮まり、血の流れが悪くなります。
冷暖房の効きすぎた環境も、この乱れを助長します。

③ 筋肉量の減少

筋肉は「熱をつくる工場」。加齢や運動不足によって筋肉が減ると、体の中で作られる熱量も減り、冷えを感じやすくなります。特に太ももやお尻の筋肉は熱産生の中心。ここが弱ると全身が冷えやすくなります。

④ 栄養や生活リズムの乱れ

食事を抜いたり、体を冷やす食べ物ばかり摂ったりすると、エネルギーが不足し、体の中で熱を作りにくくなります。
また、寝不足や夜更かしも体温リズムを乱し、冷えの原因になります。


❄おすすめ改善法

① 「下半身の筋肉」を動かす

冷え改善の基本は「動くこと」。
特におすすめなのが、ふくらはぎ・太もも・お尻を使う運動です。これらは血流を押し上げる「第二の心臓」とも言われています。

おすすめの簡単運動

  • 椅子に座ったまま、かかとを上げ下げ(10回×3セット)
  • 立ってその場足踏み(1分程度)
  • 軽いスクワット(無理のない範囲で)

毎日少しずつでも「筋肉に刺激を与える」ことで、血のめぐりが改善し、自然と体が温まりやすくなります。


② 「温める+動かす」の組み合わせ

ただ温めるだけでは、温もりは一時的です。
温めた後に軽く動かすことで、血管が開いた状態で血流を促進できます。
お風呂上がりのストレッチや、寝る前の軽い足首回しがおすすめです。


③ 呼吸と姿勢を整える

猫背や前かがみの姿勢は、胸やお腹の圧迫で血流を妨げます。
また、浅い呼吸は酸素を取り込みにくく、体全体が冷えやすくなります。
背筋を伸ばして深呼吸をするだけでも、自律神経が整い、体がポカポカしてくることがあります。


④ 食事で「温まる体」をつくる

・しょうが・ねぎ・根菜類(にんじん、ごぼうなど)
・たんぱく質(肉・魚・豆類・卵)
これらは体の中で熱を生み出す働きを助けます。
また、冷たい飲み物よりも、常温~温かい飲み物を心がけましょう。


⑤ 生活リズムを整える

夜更かしやストレス過多は、自律神経のバランスを崩します。
朝は日光を浴び、夜はゆっくり湯船につかるなど、1日のリズムを整えることで「体温調節機能」が回復していきます。


■ まとめ:冷えは「体のサイン」

冷えは「体がうまく働いていないよ」というサインでもあります。
無理に我慢せず、筋肉を動かす・温める・整えるという3つの視点でアプローチすることが大切です。
体を温めることは、血圧や睡眠、免疫力にも良い影響を与えます。毎日の小さな習慣で、「冷えにくい体」をつくっていきましょう。