【健康コラム 14 】最近“足がよく攣る”と感じていませんか? ― 秋冬に多い“こむら返り”の原因と対策 ―

夜中や朝方に「足がピクッと攣って痛い!」という経験、ありませんか?
この“こむら返り”は、特に秋から冬にかけて訴える方が増える症状です。実は、気温や体の水分バランス、筋肉の疲労などが複雑に関係しています。


■ なぜ足が攣るのか?

足の筋肉(特にふくらはぎ)は、体を支える重要な働きをしています。
その筋肉が急に強く縮んでしまい、戻らなくなる状態が「こむら返り」です。
主な原因として、次のようなものが考えられます。

  • 水分・ミネラル不足
     汗や尿などで体の中の水分やナトリウム、カリウム、マグネシウムなどが減ると、筋肉が興奮しやすくなります。
     秋冬は夏ほど汗をかかないため、知らず知らずのうちに水分補給を怠りがちです。暖房による乾燥も影響します。
  • 血行不良・冷え
     冷たい空気で血流が悪くなると、筋肉に十分な酸素や栄養が届かず、攣りやすくなります。
     特に就寝中や朝方は体温が下がりやすいため、夜中に足が攣る方が多いのです。
  • 筋肉疲労・柔軟性の低下
     長時間の立ち仕事や歩行不足による筋肉のこわばりも一因です。
     加齢とともに筋肉の弾力が低下するため、軽い動きでも攣ることがあります。
  • 体調や服薬の影響
     糖尿病・高血圧などの持病や利尿剤の服用によって、電解質バランスが崩れることもあります。

■ 自宅でできる予防法

日常のちょっとした工夫で、足の攣りは大きく減らせます。

  1. こまめな水分補給を
     喉が渇いていなくても、1日を通して少しずつ水分を摂りましょう。
     お茶やコーヒーは利尿作用があるため、水や白湯を中心に。
  2. 足を冷やさない工夫を
     寝る前に足湯や軽いストレッチを取り入れると効果的。
     レッグウォーマーや湯たんぽもおすすめです。
  3. ふくらはぎのストレッチ
     寝る前や朝起きたときに、以下の簡単ストレッチを習慣にしましょう。

 ① 壁に手をつき、一歩前に足を出します。
 ② 後ろ足のかかとを床につけたまま、ふくらはぎをじんわり伸ばします。
 ③ 20秒ほどキープし、左右交互に。

  1. バランスの良い食事を
     バナナ・豆類・海藻・ナッツなど、ミネラルを含む食品を意識的に取りましょう。

■ それでも治らない場合は…

頻繁に足が攣る、数分以上痛みが続く、夜間に何度も繰り返す場合は、
糖尿病や動脈硬化、腎臓機能の低下などのサインであることもあります。
一度医師に相談し、必要に応じて検査を受けましょう。


■ まとめ

秋から冬は、気温・湿度の低下によって血行が悪くなりやすく、知らないうちに水分も不足しがちです。
足の攣りは「体の小さなSOS」。
毎日の生活習慣を少し見直すことで、夜中の痛みをぐっと減らすことができます。

ポイントは「温める・伸ばす・潤す」の3つ。
この季節、足を大切にして快適な毎日を過ごしましょう。