【健康コラム 13 】“よっこいしょ”が楽になる!立ち上がり動作のコツ
「椅子から立ち上がるのがつらい」「ベッドから起き上がるのに時間がかかる」
そんな悩みを感じたことはありませんか?
立ち上がる動作は、足・お尻・背中・お腹など多くの筋肉を使う全身運動です。
しかし、年齢を重ねると筋力の低下や動きのクセによって、だんだん難しくなることがあります。
ここでは、立ち上がりをスムーズにするためのコツと、実際に役立つトレーニングを紹介します。
◆ 1. 立ち上がりの基本は「下半身の力」と「重心移動」
立ち上がるときに一番活躍するのは「太もも(大腿四頭筋)とお尻(大殿筋)」です。
これらの筋肉がしっかり働くと、腰やひざに余計な負担をかけずに立てます。
ポイントは、体を少し前に倒すこと。
重心を足の裏の中央に移動させることで、力をまっすぐ上に伝えられます。
背もたれにもたれたままでは力が入りにくくなるので注意しましょう。
◆ 2. 座面の高さと手すりの使い方を見直そう
立ち上がりにくいと感じるときは、椅子の高さにも注目です。
- 座ったときに膝が直角になるのが理想
- 低すぎる場合は座布団を1~2枚敷いて調整
- 高すぎるときは足元に踏み台を置いて安定させる
手すりを使うときは、「引っ張る」よりも「押す」意識が大切。
手で体を前に押し出すように使うと、下半身の筋力をうまく引き出せます。
◆ 3. 毎日できる!立ち上がり力アップのトレーニング
ここからは、施設でも自宅でも安全にできる具体的なトレーニング例を紹介します。
無理のない範囲で、毎日少しずつ行いましょう。
【① 椅子スクワット】
太ももとお尻を強化する基本トレーニングです。
1日10回 × 2〜3セットを目安に行いましょうい。
やり方:
- 背もたれのある椅子に浅く腰掛ける。
- 手を胸の前で組み、少し前かがみになる。
- 「よいしょ」と言いながらゆっくり立ち上がる。
- 立ち上がったら、すぐにゆっくり腰を戻す。
👉 ポイント:膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。
【② もも上げ運動】
歩く力にも関係する太もも前の筋肉を鍛えるトレーニングです。
片脚ずつ10回 × 2セット
やり方:
- 背もたれのある椅子に腰かける。
- 片脚を前に伸ばし、つま先を上げた状態で5秒キープ。
- ゆっくり戻して反対側も同様に行う。
👉 ポイント:背すじを伸ばして行うと、体幹も同時に鍛えられます。
【③ つま先・かかと上げ運動】
足首の動きを良くし、立ち上がり時の安定性を高めるトレーニングです。
10〜15回 × 2セット
やり方:
- 椅子に座ったまま、つま先を上げて5秒キープ。
- 次にかかとを上げて5秒キープ。
- 交互にゆっくり繰り返す。
👉 ポイント:ふくらはぎが疲れる程度がちょうど良い運動量です。
【④ 前かがみ重心移動練習】
立ち上がるときに重心を移す感覚を身につけるトレーニングです。
5〜10回 × 2セット
やり方:
- 椅子に浅く座り、足を肩幅に開く。
- 背すじを伸ばし、鼻の先がつま先の上にくるくらい前に傾ける。
- 手を軽く膝に置き、体を前へゆっくり倒して戻す。
👉 ポイント:立ち上がる前の「前への体重移動」を感じ取る練習です。
【⑤ 軽い立ち上がり練習】
本番に近い動作練習のトレーニングです。
5回 × 2セット
やり方:
- 浅く座り、手すりやテーブルに手を置く。
- 前かがみになってから、ゆっくり立ち上がる。
- 立ち上がったら3秒キープして、ゆっくり座る。
👉 ポイント:反動をつけず、スムーズに動くことを意識しましょう。
◆ 4. 継続は力なり!「立ち上がりやすい体」を育てよう
これらの運動を続けることで、
・立ち上がるときの「よっこいしょ」が減る
・歩くのが軽く感じる
・姿勢が安定して転倒予防にもつながる
という良い循環が生まれます。
筋肉は年齢に関係なく、刺激を与えれば確実に応えてくれるものです。
◆ まとめ
| 改善ポイント | 内容 |
|---|---|
| 下肢筋力 | 太もも・お尻を中心に強化する |
| 重心移動 | 前かがみの姿勢を意識 |
| 環境調整 | 椅子の高さ・手すりを工夫 |
| トレーニング | 椅子スクワット・足上げ・重心移動練習 |
| 継続 | 毎日少しずつ、無理なく続ける |
立ち上がりが「つらい」から「できる!」に変わると、日常生活がぐっと快適になります。
今日から少しずつ、“立ち上がる力”を取り戻していきましょう。

