【健康コラム 29 】年末年始に気をつけたい“血糖値スパイク”とは?
● 冬はなぜ“血糖値スパイク”が起きやすいの?
血糖値スパイクは「食後の血糖値が急に上がる現象」です。
特に冬は、以下のような条件が重なって起こりやすくなります。
① 寒さで「体が糖を使いにくくなる」
寒い時期は、外に出るのが億劫になり、活動量や運動量が減りがち。
筋肉は血糖をエネルギーとして使うため、筋肉を動かさないと血糖が体の中に滞りやすくなります。
また、冷えによって 血流が悪くなる と、糖がうまく細胞に取り込まれにくくなり、血糖値が上がりやすくなるのです。
② 年末年始の「食べすぎ・飲みすぎ」
お正月のおせち料理やおもち、クリスマスケーキ、年末の会食など…。
冬は 糖質や脂質が多い食事 が続きやすい季節です。
しかも、短時間にたくさん食べると、体が処理しきれず血糖が急上昇してしまいます。
③ 「食事の時間が不規則」に
夜遅い食事や間食が増えると、血糖値が高い状態が長く続きやすくなります。
特に寝る前の食事は、体が休もうとしている時間帯に糖が入り込むため、血糖のコントロールが乱れがちです。
④ 「ストレスや睡眠不足」も関係
冬は日照時間が短く、気分が落ち込みやすくなったり、寝つきが悪くなったりします。
ストレスや寝不足が続くと、体は「血糖を上げるホルモン」を多く出し、結果として血糖値スパイクが起こりやすくなります。
⚠ 注意が必要な人とは?
次のような方は、冬の血糖値スパイクに特に注意が必要です。
🧑🦳 ① 体をあまり動かさない人
・デスクワーク中心で一日中座りっぱなし
・寒くて外出を控えている
・家事や掃除も短時間で済ませる
→ 筋肉を動かす時間が減ると、糖を使う力(代謝)が落ちます。
対策:
食後10分の散歩や、室内でのストレッチ・かかとの上げ下げ運動など、軽い活動を習慣に。
🍚 ② 早食いや大食いの傾向がある人
・食事を5〜10分で済ませてしまう
・お腹がすくと一気に食べる
→ 急にたくさんの糖が体に入ることで、血糖値が急上昇します。
対策:
一口ごとによく噛み、温かい汁物や野菜から食べる。
「ゆっくり食べる」だけでも血糖値スパイクを防げます。
🍰 ③ 甘いものや炭水化物が好きな人
・パン・白ごはん・麺類・スイーツを好む
・つい間食に甘いお菓子やジュースをとる
→ 炭水化物や糖分を単独で摂ると、血糖値が一気に上がります。
対策:
主食は“玄米・雑穀米・全粒粉パン”など、ゆるやかに吸収されるものを選びましょう。
甘いものが欲しいときは、果物やナッツに置き換えて。
🩺 ④ 健康診断で「血糖値がやや高め」と言われた人
・空腹時血糖値が正常でも、食後の血糖が上がりやすいタイプがあります。
・「疲れやすい」「食後に眠くなる」「甘いものが無性に欲しくなる」といったサインがある人も要注意です。
対策:
食後に軽く動く、食事時間を一定にする、夜食を控えるなどの生活習慣の見直しが大切です。
👩🦳 ⑤ 高齢の方・女性にも注意
・筋肉量が少ないと血糖値が上がりやすく、下がりにくい傾向があります。
・特に中高年の女性は、ホルモンバランスの変化や冷えによって血糖のコントロールが乱れやすくなります。
対策:
無理のない範囲で筋トレ(椅子スクワットや軽い体操)を取り入れる。
温かい服装で冷えを防ぐことも効果的です。
🍵 冬の生活で意識したい「3つの血糖ケア習慣」
| 習慣 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 🥗 食べる順番 | 野菜→たんぱく質→主食の順に | 血糖上昇をゆるやかに |
| 🚶♂️ 食後の活動 | 食後10〜15分の軽い運動 | 筋肉で糖を消費 |
| ☕ 温かい飲み物 | 水分をしっかりとり冷えを防ぐ | 代謝・血流を維持 |
💡 まとめ
冬は「動かない」「食べすぎる」「不規則になる」など、血糖値スパイクを起こしやすい条件がそろう季節です。
特に中高年の方、活動量の少ない方、甘いものが好きな方は要注意。
でも、“食後に少し動く・ゆっくり食べる・温かく過ごす” ―
この3つを心がけるだけで、血糖値スパイクは十分防げます。
寒い季節こそ、自分の体の“内側”をいたわりながら、穏やかな血糖リズムを保ちましょう。

