【健康コラム 28 】飲み込む力で若々しく!~嚥下力アップとアンチエイジング習慣~

年齢を重ねると、「むせやすい」「食べ物がのどにつかえる気がする」といった悩みが増えてきます。これは「嚥下力(えんげりょく)」=食べ物や飲み物を飲み込む力の低下によるものです。
しかしこの“飲み込む力”を鍛えることは、実は美容やアンチエイジングにも直結します。顔や首、口まわりの筋肉をしっかり動かすことで、見た目の若々しさまで保てるのです。


① 嚥下力とは?年齢とともに低下する理由

嚥下力は、口の中から喉・食道へと食べ物を送り込む一連の動きのこと。
この動作には、舌・頬・喉・首の筋肉が連動して働いています。

しかし、加齢によってこれらの筋肉が少しずつ衰えると──

  • 食べ物が喉に引っかかる
  • 飲み込みに時間がかかる
  • むせやすくなる

といった不調が起こりやすくなります。

さらに、口まわりの筋肉がたるむと、ほうれい線やフェイスラインのゆるみにも影響します。つまり「嚥下力を鍛える」ことは、「見た目の若さを保つトレーニング」でもあるのです。


② 嚥下力を高める簡単トレーニング

毎日5分程度でできる習慣が、のどと顔の筋肉を目覚めさせます。
ここではおすすめのトレーニングを4つご紹介します。


🗣️ 1. 舌の筋トレ — “飲み込む力”と“表情”を支える

やり方:

  1. 舌を思い切り前に出し、5秒キープ。
  2. 舌を上あごに押しつけて5秒キープ。
  3. 左右にも動かして、1日10回ほど繰り返す。

ポイント:
舌は飲み込みの主役。舌の力が弱くなると、食べ物を喉へ押し出せずにむせやすくなります。
また、舌を動かすことで口まわりの血流が良くなり、唇の血色や顔の引き締まりにも効果的。


💧 2. 唾液を増やす“ゆっくり咀嚼”法 — 潤いと若さを守る

やり方:

  1. 食事中は1口につき20~30回を目安に、よく噛む。
  2. 唾液が自然に出てくるまで焦らず咀嚼する。

ポイント:
唾液には口内を清潔に保つ作用だけでなく、粘膜をうるおす働きがあります。
乾燥がちな中高年女性にとって、唾液は「天然の保湿液」。
唾液が増えると、口臭予防や肌のハリの維持にもつながります。

さらに、よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎ防止やダイエット効果も期待できます。


🎤 3. 声出しトレーニング — のどとフェイスラインを引き締め

やり方:
背筋を伸ばして軽くあごを上げ、
「あー」「いー」「うー」「えー」「おー」とゆっくり大きく発声。
1セットを1日2〜3回行いましょう。

ポイント:
声を出すことで、喉の奥や舌の付け根など、普段動かしにくい筋肉を刺激します。
特に「あ・い・う・え・お」と大きく口を開けることで、口角・頬・あご下のたるみ予防にも効果的。
さらに、声を出すことで自律神経も整い、気分のリフレッシュやストレス軽減にもつながります。


🦷 4. 噛む力トレーニング — “フェイスライン美人”をつくる

やり方:
ガムやスルメなど、やや噛みごたえのあるものを左右交互に噛む。
1日10分程度でOK。

ポイント:
噛む力(咀嚼力)が弱くなると、嚥下力も低下します。
また、頬の筋肉「咬筋(こうきん)」がたるむと顔全体が下がって見えるため、
咀嚼トレーニングはアンチエイジングの要でもあります。

ガムを噛む習慣を取り入れるだけで、口角が上がりやすくなり、表情も明るく見えます。


③ 嚥下力を守る食習慣

トレーニングだけでなく、食事でも“飲み込む力”を育てることができます。

  • たんぱく質を意識して摂る
    鶏肉・魚・卵・豆腐・納豆などは、筋肉を維持するのに欠かせません。
    1食に手のひら1枚分を目安に。
  • 水分をこまめにとる
    唾液の材料は水分です。冷たい水が苦手なら、常温や白湯でもOK。
    1日コップ8杯を意識しましょう。
  • 噛み応えのある食材も取り入れる
    柔らかい食事ばかりだと筋肉が使われず衰えやすくなります。
    例えば「煮物の根菜」や「厚揚げ」など、ほどよい弾力のあるものを意識的に選びましょう。

④ 嚥下力を鍛えると得られる4つの効果

  1. 食事が楽しくなる
    むせやすさが減り、「食べる楽しみ」が戻ります。
  2. フェイスラインが引き締まる
    口元・あご下のたるみが軽減し、若々しい印象に。
  3. 肌のハリ・血色アップ
    顔の筋肉を動かすことで血流が良くなり、くすみや冷えの改善にも。
  4. 脳の活性化・認知症予防
    「噛む」「飲み込む」は脳への刺激が多く、記憶や集中力を高める働きもあります。

⑤ 続けるコツと生活への取り入れ方

  • 朝の洗顔後やお風呂上がりに「声出し」や「舌のばし」習慣をつける
  • 歯磨きのあとに「ア・イ・ウ・エ・オ」を鏡の前で
  • 食後のガムでリフレッシュ兼トレーニング

1日5分でも、**毎日続けることが“若さの貯金”**になります。


🌷まとめ

嚥下力は「生きる力」であると同時に、「美しさを守る力」でもあります。
飲み込む力を鍛えることは、食事の安全を守るだけでなく、顔・首・喉の筋肉を活性化させ、ハリや表情を若々しく保つアンチエイジング習慣です。

毎日のちょっとした意識が、5年後・10年後の自分の笑顔を変えます。
「嚥下力トレーニング」で、内側から健康で美しく年を重ねましょう。