【健康コラム 26 】心の健康も大切に ~季節・気候変動に伴う“冬のメンタルケア”~
冬になると、「気分が重い」「なんとなくやる気が出ない」「眠りが浅い」など、心の不調を感じる人が増えます。
これは単なる“気のせい”ではなく、季節や気候の変化が心や体に影響を与えているサインです。
心のケアも“健康管理”の大切な一部。ここでは、冬に起こりやすい心の変化と、穏やかに過ごすための対策を詳しく見ていきましょう。
🌥️ 1. なぜ冬は気分が落ち込みやすいの?
冬は日照時間が短くなり、太陽の光を浴びる時間が自然と減ります。
実は、私たちの脳は太陽の光を感じることで、気持ちを前向きにする「セロトニン」という物質を分泌します。
この光が不足すると、脳が“夜の状態”と勘違いしてしまい、気分が沈みやすくなるのです。
また、寒さで外出が減り、家の中にこもる時間が長くなることも要因のひとつ。
人と会う機会が減ると、刺激や楽しみが少なくなり、孤独感を感じやすくなります。
さらに、活動量の低下によって血流が悪くなり、体が重く、眠気やだるさが抜けにくくなることもあります。
💡ポイント:
- 日照時間の短さ → セロトニン不足 → 気分の低下
- 外出・交流の減少 → 孤独感・閉塞感
- 活動量の低下 → 血流の悪化・体のだるさ
☀️ 2. 光を味方につける生活を
太陽の光を浴びることは、冬の心のケアにとても効果的です。
朝起きたらすぐにカーテンを開け、できれば10分ほど外に出てみましょう。
ベランダや玄関先でも十分。朝の光が体内時計をリセットし、睡眠リズムを整えてくれます。
また、曇りや雨の日でも、外の光は室内照明よりずっと強いエネルギーを持っています。
「天気が悪いから…」と諦めず、少しでも自然光を取り入れる意識が大切です。
🌞おすすめの習慣:
- 朝食を窓際でとる
- 日中に10〜15分の散歩をする
- 曇りの日もカーテンを開けて過ごす
- 夜はスマホの強い光を避けて早めに休む
光の力でリズムが整うと、朝すっきり目覚め、日中の気分も自然と前向きになります。
🤝 3. 人とのつながりを大切に
冬は寒さで外出が減り、会話の機会が減ってしまいがちです。
しかし、誰かと話したり笑い合ったりする時間は、心の健康を守るうえでとても重要です。
人との交流によって、脳の“幸せホルモン”が分泌され、気持ちが明るくなります。
たとえ短い会話でも、孤独感をやわらげ、気分をリセットする効果があります。
👥できることの例:
- 家族や友人に「元気?」と電話する
- 週に1度でもデイサービスや地域サロンに参加する
- 趣味の集まりや手作業の教室に出てみる
- 近所の人に「寒いですね」と声をかける
小さなつながりが心を温め、冬の閉塞感を和らげてくれます。
“無理なく続けられる人との関わり”を、自分なりに見つけていきましょう。
💤 4. 睡眠と食事のリズムを整える
心の安定には「規則正しい生活リズム」が欠かせません。
冬は寒さのせいで朝起きにくくなったり、夜更かしが増えたりと、リズムが乱れがちです。
リズムが乱れると、眠りが浅くなり、日中のだるさや気分の不安定さが出やすくなります。
🌙リズムを整えるコツ:
- 朝は毎日同じ時間に起きる
- 起きたらすぐカーテンを開け、朝日を浴びる
- 寝る2時間前にはスマホやテレビの光を控える
- 就寝前にぬるめのお風呂で体を温め、リラックス
さらに、食事も大切な要素です。
冬は温かい鍋料理やスープに、魚・豆腐・卵などたんぱく質を加えると、心を安定させる栄養がしっかり摂れます。
発酵食品(味噌、納豆、ヨーグルトなど)は腸内環境を整え、心の調子にも良い影響を与えます。
🍲おすすめ食材:
- 魚・鶏肉・卵(たんぱく質で気分安定)
- バナナ・豆類(セロトニンの材料)
- 味噌汁・ヨーグルト(腸と心をつなぐ)
🌿 5. “無理せず整える”ことが冬のメンタルケア
心の健康は、頑張りすぎると逆にバランスを崩してしまうことがあります。
冬は「やる気が出ない」と感じても、それは自然な反応です。
無理をせず、少しずつ生活を整えていくことが一番のケアになります。
🎗️心のセルフケア例:
- 1日1回「できたこと」を振り返る
(たとえば「布団を干せた」「散歩できた」など) - 無理せず休む日を作る
- 自分の好きな音楽・香り・入浴で気分転換
- 天気の良い日は外の空気を吸う
完璧を目指さず、“自分をねぎらう時間”を持つことが、心を元気にする第一歩です。
💬 まとめ
- 冬の心の不調は、光・気温・活動量の変化によるもの
- 朝の光を浴びて、生活リズムを整える
- 人との会話や笑顔が心を支える
- 栄養バランスと睡眠習慣を意識する
- 「頑張りすぎない」「自分を褒める」気持ちで過ごす
寒い季節こそ、体だけでなく“心のぬくもり”を大切にしたい時期です。
無理をせず、日々の小さな楽しみを積み重ねながら、冬の毎日をゆったりと乗り越えていきましょう。

