【健康コラム7】今求められる“ヘルスリテラシー”とは?
🩺 ヘルスリテラシーとは
ヘルスリテラシーとは、
「健康や医療に関する情報を入手し、理解し、判断し、実際の行動に活かす力」
を意味します。
つまり、「正しい健康情報を読み解き、自分の生活や治療に生かす能力」です。
単に“知識がある”というだけでなく、「行動に移す力」まで含むのが特徴です。
📈 昨今の情勢:なぜ今ヘルスリテラシーが重要なのか
① SNSやネット情報の氾濫
今は誰でも健康情報を発信できます。
しかし、その中には根拠の乏しいものや誤情報も多く、
「信頼できる情報を選び取る力」が求められます。
例:ダイエット法、サプリの宣伝、ワクチン情報など
→ 医学的根拠が不明確な情報に惑わされる人が増えています。
② 高齢化と慢性疾患の増加
日本は世界でもトップクラスの高齢化社会。
糖尿病・高血圧・認知症など、自己管理が必要な慢性疾患が増えています。
このとき重要になるのが「自分で体調を把握し、医療者と協働して行動できる力」=ヘルスリテラシーです。
例:「薬の飲み方」や「血圧測定の意味」を理解していないと、
治療効果が出にくくなったり、副作用のリスクが上がることもあります。
③ 感染症や災害など“自分で判断する”場面の増加
コロナ禍では、「マスク着用」「ワクチン」「外出制限」など、
人それぞれが判断を迫られる機会が増えました。
情報が混乱する中で、「科学的根拠に基づき、自分に合った行動を選ぶ力」が不可欠になりました。
災害時の健康管理(避難所での感染対策・持病管理)などにも応用されます。
④ 医療の多様化とデジタル化
オンライン診療・健康アプリ・ウェアラブル端末など、
**「自分でデータを扱う時代」**が到来しています。
これらを有効に使うためには、
データを読み取り、意味を理解し、生活改善に結びつけるリテラシーが必要です。
💡 ヘルスリテラシーが高い人の特徴
- 健康情報の信頼性を確かめられる(誰が発信しているか、根拠は何かを確認)
- 医師や専門職と積極的にコミュニケーションを取る
- 検診結果や数値を理解し、自分の健康状態を把握している
- 必要なときに適切な支援を求められる(相談・受診・介護申請など)
⚖️ ヘルスリテラシーが低いとどうなる?
- 誤情報を信じて不適切な健康法を実践する
- 医療機関を受診せず症状を悪化させる
- 処方薬の誤用・中断
- 医療者との意思疎通がうまくいかない
→ 結果として「健康格差」が拡大することが懸念されています。
🌍 まとめ
| 時代の変化 | 求められる力 |
|---|---|
| 情報が溢れる社会 | 情報を見極める力 |
| 高齢化・慢性疾患の増加 | 自分で健康を管理する力 |
| 感染症・災害などのリスク | 科学的根拠で判断する力 |
| 医療・テクノロジーの進化 | データを理解し活用する力 |
👉 「自分の健康を自分で守る力」=ヘルスリテラシー
これが今、最も重要な「生活スキル」のひとつです。

