【健康コラム6】身体の健康は“健口”から!

🦷 1. なぜ「口のケア」が大事なのか?

高齢になると、口の中の筋肉(ほっぺ・舌・くちびるなど)が弱くなったり、唾液(だえき)の量が減ったりします。
その結果、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 食べづらい・むせやすい
  • 話しにくい
  • 口の中が乾く
  • 口臭や虫歯、歯ぐきの病気
  • 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん) … 食べ物や唾液が気管に入って肺炎を起こす病気

これらは「口だけの問題」ではありません。
実は、全身の健康や生活の質(QOL)に大きく関係しています。


🍚 2. 食べる力=生きる力

私たちが食事をするためには、「かむ・飲み込む・呼吸を合わせる」という動きを、全身で協力して行っています。
特に、口やのどの筋肉が弱くなると、誤嚥(ごえん)や栄養不足につながりやすいです。

食べる力が落ちると──

  • 栄養が足りず、筋肉が減る
  • 活動量が減る
  • 寝たきりになりやすい

という悪循環に入ってしまいます。
だからこそ、口の機能を保つことは、体の機能を守ることにもつながります。


💪 3. 口のトレーニング(口腔トレーニング)の効果

口のトレーニングは「小さな筋トレ」です。
以下のようなトレーニングを続けることで、飲み込みや発音、表情の改善につながります。

トレーニング内容主な目的
ほっぺをふくらませる/すぼめる口のまわりの筋肉強化
舌を上下・左右に動かす食べ物をまとめやすくする
「パ・タ・カ・ラ」とゆっくり繰り返す発音・飲み込み・舌の運動
唇を閉じて息をこらえる飲み込み時の力をつける
唾液腺マッサージ(ほほや耳の下をやさしく押す)唾液を出やすくして口の乾燥を防ぐ

こうした運動は、1日5分程度でも続けると効果があります。
きたえる~むでは、体の動きと一緒にこうした「口の動き」も観察し、全身の機能を保つサポートをします。


🌸 4. 口の健康は「こころ」と「社会参加」にも影響

口が動かしにくくなると、「話す」「笑う」「食事を楽しむ」といった場面が減ります。
それが人との関わりを避けるきっかけになることもあります。

つまり、口腔ケアは

  • 栄養のため
  • 感染予防のため
    だけでなく、
    「笑顔」や「会話」を取り戻すリハビリでもあるのです。

💡 まとめ

項目内容
なぜ必要?誤嚥・肺炎・栄養不足・社会的孤立を防ぐため
どんな効果?食べる・話す・笑う力を保つ
何をすればいい?口まわり・舌・唇・唾液腺の運動と清潔ケア
誰が関わる?歯科衛生士・看護師・理学療法士・介護職などチームで支える