【健康コラム3】気を付けたい肩甲骨のあれこれ①

肩甲骨の動きは「肩こり予防」「姿勢改善」「肩のケガ防止」にとても重要ですが、動かし方を間違えると逆に痛みやコリを悪化させることがあります。
ここでは、「スキャプラプレーン(肩甲骨の自然な動く角度)」をもとに、わかりやすく説明します。


🦴肩甲骨を動かすときに気をつけたいポイント

① 肩を「真横」ではなく「やや斜め前」に動かす

肩の関節は、まっすぐ横に上げるよりも「少し前(約30〜40度)」に上げたほうが自然に動きます。
これが「スキャプラプレーン(肩甲骨の面)」と呼ばれる角度です。

🔹理由
肩甲骨は背中で少し斜めに位置しているため、まっすぐ横に上げると骨同士がぶつかりやすく、痛みや詰まり感が出やすいのです。

💡ポイント
→ 手を少し前に出した「ハの字」の角度で動かすとスムーズ。
→ 鏡で見ると、腕が「体の前に少し出ている」くらいがちょうどいいです。


② 肩甲骨を「寄せすぎない」「力を抜いて引き下げる」

「胸を張る=肩甲骨を強く寄せる」と思われがちですが、寄せすぎると首や腰に負担がかかります。

🔹正しい意識

  • 背中で「肩甲骨を下げて支える」ように意識します。
  • 首や肩の力は抜いて、肩甲骨を背中の下の方にスライドさせます。

💡イメージ
「肩甲骨をお尻のポケットに入れるように動かす」感じ。


③ 肩甲骨と腕は「チーム」で動く

肩を動かすときは、腕の骨だけでなく肩甲骨も一緒に動きます。
片方だけが動いてしまうと、筋肉が無理に引っ張られて肩を痛めやすくなります。

🔹ポイント

  • 腕を上げるときに、肩甲骨も一緒に“背中でスライド”する感じを意識します。
  • 「腕だけで上げる」のではなく、「背中から腕が動く」ようにイメージする。

💡コツ
壁に背中をつけて腕を上げると、肩甲骨の動きを感じやすくなります。


④ 呼吸を止めない

肩甲骨の運動中に力を入れすぎると、無意識に息を止めてしまいがちです。
呼吸が止まると筋肉が硬くなり、動きがぎこちなくなります。

🔹ポイント

  • 動かすときに「息を吐く」
  • 戻すときに「息を吸う」
  • 胸やお腹が自然に動くように呼吸を合わせる

⑤ 動かす範囲は「痛みのない範囲」で

「よく動かす=たくさん上げる」ではありません。
大切なのは、痛みや違和感がない範囲で、なめらかに動かすことです。

🔹ポイント

  • 無理に大きく動かさない
  • スムーズに動かせる角度を少しずつ広げる

🔍まとめ

注意点理由コツ
腕は真横でなく少し前に上げる肩甲骨と関節の自然な動きに合うハの字の角度
肩甲骨を寄せすぎない首・腰の負担を防ぐ「お尻のポケットへ」意識
肩甲骨と腕を一緒に動かす筋肉の連動を保つ背中から腕が動く感覚
呼吸を止めない筋肉が柔らかく動く吐きながら動かす
痛みのない範囲でケガを防ぐ無理せず継続